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室町幕府

2018.05.07(07:00) 146

**鎌倉府

 **足利持氏(鎌倉公方)の自立

   鎌倉公方・持氏の評価には、感情的で当座的な対応に終始した人物であったイメージであるが、彼と管領・上杉憲実(norizane)との対立に端を発した永享の乱で将軍・義教(yosinori)に敗れて自害して果てた敗者という歴史的な事実がそのイメージであろう。

   前関東管領であった上杉氏憲(禅秀)(zensiyuu)が持氏に対して起した上杉禅秀の乱は、持氏側に不信感をもたらした。  その為当初は、禅秀与党に対する討伐の勢いは並々ならぬものがあったし、幕府側からの多様な要請に振り回される事も数多くあった様だ・・・・・。  

   しかし、応永~永亨期にかけては、鎌倉府は最も安定した時期であったと考えられており、 それは持氏が、東国の支配者としての自覚の下、一定の計画性をもって統治し、成し得たものであった。   この後、持氏の分国支配についてレポートします。

   それが象徴的にみられるのが守護政策であった。
禅秀の乱後、室町幕府から押し付けられて、宇都宮持綱(motituna)を上総守護に任命した持氏であったが、近臣・上杉定頼(sadayori)(扇ヶ谷)はその持氏の意思に基づいて、徐々に持綱に取って替わる形で、上総で主導的な行動をとっていた。
  こうした上杉定頼の行動は、上総に限った事ではなかった。 同時期に相模と安房でも同様な行動をとっている。  これはどういう事を意味しているのであろうか。・・・・

 武蔵・相模・安房・上総の四ヵ国に対して、鎌倉府の中枢機関である政所(mandokoro)の経常経費を充当するための極めて重要な課税が、一国単位で割り当てられている。 武蔵国は、南北朝のある時期から鎌倉府の御料国(goriyoukoku)となっていた。   という事は、他の三国も御料国に準じた扱いであったと考えてよいだろう。
    
   当時の上杉定頼は、持氏の方針に従って、武蔵国同様に、三国を御料国化する為に活動していた事は充分に考えられる。

    では、上杉禅秀の乱後に、鎌倉公方であった持氏が、上杉定頼らの近臣を駆使して、これら四か国の御料国化を目指した事には、一体どのような意義があったのだろうか・・。
まず思い浮かぶのは、各国の地政学的な位置関係である。    この四か国は、歴史的にみても、長く鎌倉の防衛という極めて軍事的な意味合いを有していた。

   実際、鎌倉の所在地である相模国はもとより、武蔵国も鎌倉防衛のために最重用な要塞国である。  鎌倉を攻撃するには、箱根峠などの難所を越えなければならない東海道からの攻撃よりも、北陸道経由での武蔵側からの攻撃の方が比較的容易であるらしい・・・・。
  そして何よりも、武蔵の武士団の帰趨が、鎌倉防衛に決定的な意味を持っていた。   このことは歴史的な事実として問題はないと考えられている。
一方、上総・安房両国は、海上からの攻撃に対する防御にとっても、いざ鎌倉から海上に落ちる場合にも大きな意味を持っていた。  また、この様な軍事的な重要性に勝るとも劣らないのが、経済的な要因が大きかったと思われる。
そのため、現在の東京湾を挟んで、首都鎌倉を包囲する武蔵・相模・安房・上総の諸国に渡る広域的な連携が必要であったのではなかろうか・・・・。

   更に、代々の鎌倉公方は、関東管領・上杉氏の実力を盾に、鎌倉街道を中心とした主要幹線道や、河川交通の要所に常に注目してきた。  その周囲に御料所を設定していき、御料所と幹線道及び河川という点と線の支配を目指し周辺の諸勢力を巻き込みながら、関東分国全域への公方権力の浸透を果たしてきたと思われる。
御台所・北条政子菩提寺・・・安養院のツツジ     (鎌倉・大町)
安養院・ツツジ
安養院・ツツジ

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  **運慶小辞典

〇  さて、次に文献により運慶制作として知られる、又は推定される消失作品を研究者の推理を基に彼が生涯に成し遂げた仕事を追ってみる事にする・・・・・。  
〇  鎌倉大御堂・勝長寿院五仏堂・・・・・五大明王像五体(大きさなどは不明)・仏師運慶法印(吾妻鑑) 消失
〇  将軍・実朝持仏堂(大蔵御所内比定)・・・・・釈迦如来像(大きさ不明)・・運慶奉造之(吾妻鑑)  消失
〇  大弐局念持仏 (大倉御所内比定)・・・・・金剛界大日如来(消失)・愛染明王(消失)・大威徳明王(称名寺光明院蔵)…像内納入品のうち尼奥書・源氏大弐殿、大日愛染王大威徳三躰内、大威徳也、法印運慶也、  

平成30年戊戌・戊午・己亥
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鎌倉の石塔・その周辺の風景(R)


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