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戦国時代

2018.10.05(07:00) 183

**戦国期の北条氏

**知行役帳(北条氏・家臣)

     北条氏は、永禄二年(1559)に家臣の知行貫高を記載した帳簿を作成している。
  冒頭に「小田原衆所領役帳」 と書かれている事から、普通ははその様に呼ばれているが、実際には、小田原衆だけでなく各地の支城衆についても書かれており、また「御蔵出」 という俸禄も知行に含まれているので、「北条氏家臣知行役帳」 とした方が正確である。

なぜ、この時点でこのような帳簿を作成したかといえば、丁度氏康から氏政への代替りの時期にあたり(とはいっても、氏康はその後も隠居の立場から実権をふるっているが)、それまでの領国拡大・検地・税制改革等の成果をまとめ、あらためて軍役などの諸役の賦課体制を整備することが目的だったと考えられている。    予想される謙信の越山に備えるためでもあったかも知れない。

  「役帳」 には家臣ごとに、知行貫高・所在地と、対応する役に関する「御免」 「除役」 「半役」 などの控除分を差し引いた「知行役」 高が書かれている。 知行地の所在は伊豆・相模・武蔵三ヵ国の825ヵ村におよび、合計貫高は72,000貫となっている。また、家臣数は560人で、最大の知行高は氏康の叔父・北条幻庵(genan)の5,442貫文だが、寄子クラスになると数貫文の者もおり、過半は100貫文未満の中小家臣だった。  尚、武士以外にも職人や寺社が登録されている。  職人には職能に応じた役、寺社には普請役が賦課されていた。  

   家臣たちは、「知行役」 に関して「御免」 「除役」 「半役」 など従来の免除特権が認められたが、一方で多くの検地増分が知行高に繰り入れられ、役負担はその分だけ増加している。  また、知行高の大きい家臣ほど給地が分散している傾向がある。 これは、領国の拡大に伴い戦功などによる恩給地が増えたためだが、その都度個別的に与えられたのがそのままになっていた結果と見られる。  こうした場合、家臣は本拠地から離れた小規模な給地を直接支配することは難しく、既にみたように、郷村単位で置かれた北条氏の代官に依頼して年貢を取得せざるを得なくなる。  その分だけ、家臣の給地に対する支配力は弱まり、大名権力に対する依存度が高くなる。  領国の拡大に伴い家臣の給地は増えたが、有力家臣の給地支配に対する規制も強まり、全体としてみるならば北条氏の支配は強化されたのである。

**衆の編成

   「役帳」 では、家臣は基本的に「衆」 ごとにまとめ記載されている。  北条氏とは主従関係が無かったが、北条領国内に所領があるために記載された他国衆などの例外を除くと、大きく、小田原衆・御馬廻衆・諸足軽衆という当主直属軍団と、玉縄衆・江戸衆・河越衆・松山衆・伊豆衆・津久井衆・小机衆という支城衆に分けられる。
2018かまくら・秋     (鎌倉・扇ヶ谷)
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支城衆は、支城主を指揮官とする軍団だった。  その内容を見ると、小田原から派遣された伊豆・相模出身の譜代的家臣と、地元出身の家臣とが組み合わさり、それに彼らの同心衆(寄子)が付けられる構成となっている。

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**運慶小辞典

◆◆  建保年間、運慶は再び鎌倉に戻り、将軍周辺の仕事に集中する。   実朝の持仏堂に祀る釈迦如来像が京都の運慶の許から送られたのは、建保四年(1216)。 実朝は同じころ鶴岡八幡宮に愛染明王を祀る北斗堂(愛染堂)を建立するが仏像の作者は運慶でしょう・・・・・。三尊構成だった事が光明院の大威徳明王像の納入文書から判明している事から、大日如来・愛染明王像と共に造られ、京都から鎌倉に送られたと考えられている。
  再び鎌倉に戻った運慶は「吾妻鑑」等の記述から、建保六年(1218)に執権・北条義時が創建した大倉薬師堂(現・覚園寺)の造仏が、記されている。  北条氏が鎌倉に初めて開いた氏寺であり、薬師三尊や十二神将からなる造仏の規模も大きい。    運慶も既に60代の晩年。この後、瀬戸神社に伝来する舞楽面を制作すると年代はつながる。  
   さらに、「吾妻鑑」の記録から、承久元年(1219)勝長寿院五仏堂・五大明王供養の記述が残されるが、勝長寿院は消失しており、五大尊像も今は残らない・・・・・。

貞応二年(1223)、北条政子・新御所、持仏堂に(実朝平生時本尊・運慶作)安置供養。(吾妻鑑)

  貞応二年12月11、運慶没

◆◆  運慶小辞典を連載してきましたが、今回で終了です。   今後、また新しい発見等が在りましたら報告します。

平成30年戊戌‣癸亥・庚午
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鎌倉の石塔・その周辺の風景(R)


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