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もののふ(兵)ノ家・三浦氏

2019.04.15(07:00) 221

**三浦一族

**合議制 (群議)

    鎌倉時代初期、合議を指す語としては、京都では伝統的な「朝議」・「僉議」が公家(朝廷)の間で用いられていたが、一般的には「評定」・「群議」・「評議」・議定」も用いられた。
これに対して鎌倉では「評議」・「群議」が使われたほか、多く使われた「沙汰」も評議を意味する場合があった。

    富士川の戦いに勝利した頼朝は、平家軍を追い一気に上洛することを諸将に命ずるが、常胤(千葉)・義澄(三浦)・広常(上総介)に平家方の佐竹氏の討伐を優先すべきと諌められ、常陸に兵を進めた。  その地(常陸国府)で作戦を練るため群議が行われたようだ。 
  群議の参加者は、頼朝に佐竹氏討伐を進言した三名の他に土肥実平が加わっており、彼らが「宿老の類」と呼ばれていた事は注目される。 乃ち、この場合の群議は明らかに宿老武士による軍略評議(戦評定)であり、その決定に基づいて、上総介広常(hirotune)による佐竹義正(yosimasa)の誘殺、続いて下河辺行平(yukihira)らが率いる数千の軍勢による居城金砂城攻撃が行われており、この間の群議の決定⇒実施の過程には頼朝の介入した形跡は見られないのである。
したがって、富士川の戦い直後の宿老の諌申も、頼朝主宰の群議が開かれ、頼朝の意思表示(上洛)について宿老が評議し、その結果が諌申という事になったのであろう。  その場合も結果的には頼朝が宿老らの意見を容れ、上洛の命令を撤回されている。

   以上頼朝時代の合議制についてレポートしてきましたが、記述を本題の三浦一族に戻して進める。  まず宿老としては惣領家の義澄(yosizumi)が千葉常胤と並んで当初から筆頭格ともいうべき位置にいたほか、義澄の伯父の岡崎義実(yosizane)と甥にあたる和田義盛(yosimori),女婿と思われる比企能員(yosikazu)がそれぞれ宿老として重きをなしていたのである。

    頼朝時代の宿老御家人は、東国の有力武士の家系を代表する人物がなっていたのであるが、同族で四人というのは三浦氏以外になく、幕府内での三浦一族の存在感は傑出していたと言ってよいだろう。   特に義澄は挙兵直後から、軍略に関して頼朝の諮問に応え、ある時は頼朝が指示した方針に反対意見を述べたりする一方、後期には自ら西国に赴いて、海戦の不得手の源氏軍にあって「海のもののふ」の本領を大いに発揮し味方を勝利に導く働きを見せた。

    内乱が終わり幕府が安定して来ると、頼朝の岳父北条時政や大江広元(公文所別当)の動向が目立つようになるが、三浦一族では和田義盛が侍所別当という幕府の中枢部局を任され、義澄も相変わらず頼朝の信頼厚く、奥州征伐や上洛の際の直衛隊に必ず義澄の姿があった

     このように義澄ら三浦一族の者が、宿老として幕府内に高い地位を占めることが出来た理由は、何といっても三浦氏が源家譜第の家人であり、とりわけ頼朝の父義朝(yositomo)が義明の女婿であったとされるほど近しい関係であったからで、さらに、三浦一族の抱える武士団の規模が群を抜いていた事にもよろうが、三浦氏が「介」を家職として、相模一国を事実上支配していた事が大きな要因であったと思われる。
  この事は千葉常胤の下総国のも言えるのであるが、頼朝時代に源家門葉の人物が「守」にはなっているものの、国衙機構を抑え実際の国務(国衙雑事)を遂行していたのは国衙在庁の筆頭としての「介」の肩書を持つ三浦氏及び千葉氏であり、頼朝もかれらの既得権を安堵するとともに、それぞれ「守護」に任じる事で幕府の支配基盤に組み込んだのである。
 以上、三浦一族とくに惣領義澄が宿老の筆頭格として鎌倉幕府政治の重要な一翼を担えたのは、彼が単に東国武士の中で長老であった云うだけでなく、鎌倉の所在国で、後々まで幕府の地域支配にとって最重要基盤となった相模国の国務を抑えていたからであると言える。

  そして宿老三浦介義澄、頼朝の後見北条時政、幕府官僚の重鎮大江広元の三者を、鎌倉殿頼朝が調整(バランス)をとりつつ自分の裁断権を使する、これがいわゆる将軍『独裁』政治と言われるものの実相であった。  このような意味で、鎌倉幕府が武家政権と言われるのは、三浦氏に代表される地方武士とくに国衙在庁関係の「政治」感覚で運営されたからに他ならないと言える。
三浦義澄公・墓所・・・・・横須賀市・衣笠
三浦義澄公・墓所
父・義明公・墓所満昌寺・・・・・横須賀市・衣笠
三浦義明公・菩提寺
秩父・清雲寺・枝垂れ
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平成31年乙亥・己巳・壬午
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鎌倉の石塔・その周辺の風景(R)


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