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戦国北条氏・五代

2020.03.10(07:30) 286

**戦国大名・北条一族

**氏綱・今川義元と戦う

   天文五年(1536)、ひと月ほど小田原に滞在していた今川氏輝は、駿河に帰国後、弟彦五郎と共に突然死去してしまった。 氏輝兄弟の死去により、今川氏では善徳寺殿承芳(義元)と花蔵殿恵探の二人の弟によって家督をめぐる内乱が生じた。 この今川氏の内乱に対して、氏綱は義元を全面的に支援し、氏綱の支援を受けた義元が勝利し、今川の家督は義元が継承した。

   しかし、義元は、氏綱の全面的な支援によって家督を継承出来たにも関わらず、その後、父氏親以来、長く対立関係にあった甲斐武田氏との同盟関係の成立へと、外交政策を一変させた。  そして翌年に、義元は武田信虎の娘を正妻に向かえた。  義元の行為に怒った氏綱は、駿河に向けて出陣、富士川以東の河東地域に侵攻した。  同時に氏綱は、実弟にあたる駿東郡の国衆葛山氏広をはじめ、富士郡の富士氏、遠江堀越氏・井伊氏、三河戸田氏・奥平氏らの有力国衆を味方につけて、義元に対し蜂起させた。

   これにより、北条氏と今川氏の抗争は、「河東一乱」と呼ばれる。  両氏は、宗瑞・氏親の代以来、長きに渡って密接な政治的関係を築いてきたが、ここに至って全面的に抗争を展開することになった。  直接の原因は、義元が外交政策の転換にあたって、氏綱からの了解を取らずに行った事、氏綱はそれを阻止しようとしたが、成功しなかった事による。  氏綱にとって義元の行動は名誉を侵害するものであり、義元への攻撃は、その回復のためと認識されていたのであろう。

   問題は、なぜ義元は、氏綱に無断で武田氏との同盟を進めたのか、という事になるが、それについてよくわかっていない。  その後の両氏は全く対等な戦国大名として、互いを認識している。  疑問は残るが仕方がない。  その意味において、この抗争は北条氏にとっては今川氏からの精神的な自立を遂げた戦いでもあった、とも云えるのだが・・・・・・・。

**氏綱・関東管領に就任

   氏綱は、扇ヶ谷上杉氏との抗争、以降の房総における内乱での対応をめぐって、小弓公方足利義明とは、対立と妥協を繰り返すという状況にあった。  こうした状況のなか、古河公方足利高基、その子晴氏と義明との抗争は、継続して展開されていた。

   天文七年(1538)、足利義明は下総西部に進出し、国府台(野田市)に着陣した。  同時期に氏綱が扇ヶ谷上杉氏方の葛西城を攻撃しているから、義明は扇ヶ谷上杉氏の支援の為に進軍してきたものと見られる。  これに対して氏綱は、義明に古河公方足利晴氏との和睦の周旋を持ちかけたが、義明はこれを拒否したとみられる。  その後、関宿城攻撃の為か、北上の姿勢を見せ、先陣を相模台(松戸市)に進めた。  これに対し晴氏は、氏綱に義明討伐の「上意」を伝えた。
  氏綱はこの晴氏からの「上意」をうけ小田原を出陣、江戸城で装備を加えて、相模台と国府台との中間に着陣した。  後に第一次国府台合戦と言われた合戦は、氏綱の勝利に帰し、義明はじめ嫡子義純、弟基頼らを討ち取り、大勝利であった。  小弓公方足利氏は滅亡した。 

   ここに氏綱は、関東足利氏の軍事的保護者としての立場を確立し、それを踏まえて同合戦の勲功として、晴氏からその御内書をもって、関東管領職に補任された。  本来、同職は鎌倉公方が補任するのではなく、室町幕府が補任するものだったが、戦国時代になると同職の本質は失われ、関東武家勢力における政治的地位を示すものとして、同職を家職としていた山之内上杉氏の家督と一体化したものとなっていた。  その為、晴氏が御内書をもって氏綱を同職に補任した事は、先例の無い全く異例な事態であった。  しかし、当時、関東管領の地位にあったのは山之内上杉憲政であるが、氏綱が補任されたことによって、二人の管領職が存在する事になった。その後北条氏は代々管領の地位を認められ、「管領家」として存在していく。 
  さらに、氏綱は娘(芳春院殿)を晴氏に入嫁させて、古河公方足利氏との婚姻関係を成立させた。 晴氏に正室は無く、側室との間に嫡子・藤氏以下の男子があった。  これに対して、氏康の娘を正室として迎えた為、氏綱は古河公方足利氏の外戚として存在する事になった。  ここに至って、関東制社会のなかで事実上の頂点に位置する様になり、その政治的立場を著しく伸長させたのである。  
実弟・葛山氏広氏系図 ・・・・葛山氏へ養子としての国衆
戦国北条氏初代期
小田原城天守
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常盤木門
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令和二年・庚子・庚辰・壬子
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鎌倉の石塔・その周辺の風景(R)


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